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    悩めるギリシャ人 2
    ギリシャの今の政権の主体は、シリザという、さまざまな左翼グループが集まって出来た寄合の党だ。構成グループはガチガチの極左的なのからかなり緩いのまで実にバラエティー豊かだ。いずれにしても共通する点は、労働者の権利を勝ち取るため、そして労働者を搾取している資本主義という「悪」に立ち向かうために闘争するのが目標だった・・・少し前までは。それが今は政権の座に着いている。デモやストライキはギリシャ社会に定着していて日常的に行われているので誰も特別なことだとは思わないが、大半は特定の政党や労働組合が組織的に仕掛けるものだ。ギリシャに関するテレビの報道でデモ風景をよく見かけるが、一般の人々が皆参加しているわけではない。
    ところで、ギリシャの債務問題がヤマ場だと言われつつ、もう数ヵ月もずるずる続いてきたのは、この政権が必死でヨーロッパの債権者側と交渉しているからだ。大きな利害関係を伴う交渉なので、双方とも譲らないことから、なかなか先へ進まない。巨人(ヨーロッパ債権者側)と小人(ギリシャ)の対決で、ヨーロッパの正義とか常識というものにギリシャを従わせようとしているのだが、これが一筋縄ではいかない。ここ5年間で4割も減ってしまった給料や年金を、今年1月末に発足した新政権は、これ以上減らさない、そればかりか最低賃金を751ユーロに引き上げるという公約をしている。公約を破れば一気に国民の支持を失うのがわかっているので給与や年金を減らすことだけはできない、ということだ。
    国民は必ずしもシリザの支持者ではない。むしろ、シリザの基本的な方向性に賛同する人のほうが少ない。それでも多くの人々がシリザとチプラス首相を支持するのは、もしかしたら交渉に成功して、自分たちの生活がこれ以上みじめなものにならなくてすむかもしれない、という希望を持っているからだ。前の政権もその前の政権も、ここ5年間の政府は債権者であるEUやIMF、ヨーロッパ中央銀行の言いなりで、給料や年金をどんどんカットし続け、一方で増税や新税を増やしていった。その結果ギリシャ人の生活は日増しに苦しくなり、厳しい緊縮策に悲鳴をあげていた。まだそれから半年ほどしか経っていないのでギリシャ人の記憶は生々しい。シリザに一縷の望みを抱いたのは無理もないことだった。シリザ政権になってからは、債権者側との交渉が膠着状態で、すべてが棚上げになってしまっているので今のところ給料はカットされていない。
    いずれにしても、ギリシャ政府と、大半のギリシャ国民とでは、思想的に大きな違いがある。
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    ギリシャ人 | 【2015-06-12(Fri) 04:36:47】
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